

PROJECT STORY プロジェクトストーリー
多機能LED照明コントローラ(製品名OPPX)
営業と開発が協力し、顧客の期待の一歩先の製品を開発。
当社の主力製品の一つである多機能LED照明コントローラである「OPPX」
当製品開発前は、各社が力を入れるマシンビジョンの可視化技術においては、当社の製品は他社製品と比べて「差がない」という声がお客様から寄せられていました。
そんな中、営業チームと開発チームの中でオプテックス・エフエーならではの製品を作る必要性が叫ばれ、開発と営業、顧客の意見を取り入れた「3者が一体となったモノづくり」が始まりました。
今回は、当製品の開発の中心を担った5名からお話を伺いました。

信念をもってお客様に刺さる製品を作り上げることが何よりのやりがいです。
LED営業部 営業/マーケティング 課長 F 2012年度入社

カメラの画像処理技術を駆使し、人間の目の役割をするマシンビジョン(MV)における最大のサービスは可視化です。
当時、MVにおける可視化は競合他社含めて力を入れており、会社の事業規模やリソースに依存する状態でした。
一部のお客様からは他の製品と「差がない」という声が出ており、当社ならではの製品を作る必要性があると営業チームでは意見が出ていた頃の話です。
そんな中、当時の開発部長から「営業が製品を作っていかないとダメだ」と激励され、私自身、営業成績は全社トップクラスだった事もあり、次の目標として取り組む覚悟ができました。
「わかりました、開発メンバーに顧客のありのままの意見を伝えます。場を設けて下さい」そして翌月、LED営業部の売上上位3名とLED照明に関わる開発メンバーでのキックオフが開催されました。
営業から「次の開発テーマである照明コントローラーは10年は継続する製品で完璧な製品を求める」と開発へ伝えたところ、一人の開発者から「今まで営業要望は盛り込んで開発してきた。」と意見が食い違いましたが、「我々3名で営業部の約半分の売上(約6億)を担っている。その売上は顧客の期待値であり、多くの要望も頂いている。それを直接開発へフィードバックしてモノ作りへ転換させたい」と熱い思いを伝え、要求をまとめ、製品仕様を取捨選択しながら開発を進めることとなりました。
その後、営業からの要望をもとにコンセプトにまとめ、顧客ニーズとに乖離が無いかを確認する目的で、開発との同行を繰り返していくことになるのですが、最初の動向で訪問した某大手製薬会社でのプレゼンにて、仕様面に厳しい取引先の部長から
「オプテックス・エフエーさんの製品や技術力は興味深く、我々に刺さるコンセプトだと考える」
「今から更に10年先のコンセプトでのモノ作りを目指して貰えると良いものができると思います」
とコメントをいただくなど、当製品の開発への期待感が高いことを肌で感じ、大きな手ごたえを感じました。
一方、帰路につくなか我々の考えが「従来の課題解決に過ぎないコンセプト」である事に気付かされ、これをきっかけに「未来志向の製品コンセプト」を手に入れるための開発と営業合同での顧客訪問がはじまりました。
多くの顧客訪問を繰り返すうちにコンセプトは明確になり、結果的に課題を一つずつ解決し、製品のリリースにつなげることができたのです。
後日談ですが、完成品を某大手製薬会社へ再度持ち込むと「よくこんな仕様で作れましたね!」と驚きの歓声が湧きました。
全員、誇らしさと嬉しさを抑えられずにニヤニヤしながら帰ったことを覚えています。発売後も多くのお客様から製品の先進性と考え尽くされた製品と称賛頂く声は大きく胸を張って良い製品が営業と開発で作り上げることができたと自負しています。
「お客様の満足度」が高まることを実感できる喜びとやりがいがあります。
開発部 電気設計開発課 課長※当時 F 2013年度入社

10年前に開発した現行品の後継機として、グループ会社との共同開発にて、業界標準となる電源を目指すというコンセプトで営業と共同で企画を開始しました。
両社の開発・企画・営業を含めて仕様を検討し、その期間は半年間を要しました。
現行品の開発は営業(お客様)が求めている仕様を理解せず、他社と同じものをベースに、開発都合で考えた仕様を付け加えただけの製品となっていたため、営業目線でお客様が求める製品開発をするということにこだわりました。
営業の満足度を高めるためには、より営業とのやり取りを強化し、営業(お客様)の要望に沿った、更にその意見から開発が膨らませた仕様を盛り込むことが必要です。それを踏まえて、お客様満足度の高い製品を目指すことにしました。
当初は本当に期待以上の売上、お客様満足度を満たすことができるのか不安でしたが、誰もやっていないことを考え、行動をしていく中で、次第に周りの反応が変わり、製品完成間近になるに従い、お客様からの期待度も高まっていること感じることが出来るようになりました。
新製品の開発に携わる誰もが、その製品に対して愛着を持ち、より良い製品にしようと考えることで期待を超える製品を開発することができるのです。
そのための忘れてはいけない最も重要な要素として、『お客様の満足度』があり、これを忘れること無く常に意識し、自分の目で耳で確認を行いながら開発を進めることで、お客様に製品を提供するだけでなく、FAの製品を買って、使ってよかったという『満足』を提供出来るのだと思いました。
お客様の期待を超える製品を生み出すことに喜びとやりがいを感じます。
開発部 機構設計開発課 課長 N 2014年度入社

私は、当製品の機構設計、デザインを担当しました。当業界の電源製品は影に隠れるため、各社平凡なデザインでしたが、今回の開発では「10年間廃れることとのないデザイン」を目標としました。
先ずは、新しいセンシング技術を採用することで、従来の仕組みと異なる構造のオリジナルコネクタの開発を実施しました。
更にグループ会社と共同開発ということもあり、グループ会社が使用しているコネクタとオリジナルコネクタを共用できる筺体のデザインの考案を行い、出力電圧、出力ch数、通信仕様の組み合わせで合計8パターンのモデル(最終的には10パターン)を網羅できる構造を実現しました。
使いやすさと内部の基板を加味した部品のレイアウト、コンパクトなものが求められるということから省スペース設計を追求してきましたが、機能を担保するための排熱機能が必要となり、スペースを確保が必要になったりと、設計中盤からのデザイン変更があったことなど多くの課題を解決してきた自負があります。
そんな紆余曲折、社内での協力や偶然が重なり、自信の持てるデザインとなったと思います。自身のお気に入りは赤色のコネクタです。
展示会ではお客様に加え、競合他社の知り合いからもお褒めのことばを頂きました。
様々な困難を乗り越えることが、次に向けての自信とやりがいに繋がります。
開発部 電気設計開発課 主査 N 2017年度入社

電気設計開発としてこのプロジェクトに参画しました。最初にコンセプトイメージ(外観)を作成して、評価をいただいたことでスムーズな開発業務のスタートを切れました。しかし、グループ会社との共同開発ということもあり、全く異なる仕様、ルール、考え方などそれを1つにまとめることに非常に苦労しました。できる限り種類を増やすことなく1つにまとめ、かつ従来製品から更に出力容量のUP、出力チャンネル数の増加、照明との新しい通信方法の確立、機器間の通信の親機子機の機種分けをなくす等、従来機能を全て見直し、いろいろ困難はありましたが完成に至ったことを覚えています。
発売間近にお客様に事前に見ていただく機会があり営業とともに数社お伺いしましたが、いずれも高評価をいただき、開発当初にお聞きした追加して欲しい機能などを盛り込んだことで、更に評価をいただきました。また、あるお客様では、箱から出したところで「採用します」との返答が出るなど、この業界でお客様の期待を超えるインパクトのある製品ができたと、自信を持つことができました。
発売後いろいろな要望をいただき、今なお発展途上にあります。これからも皆様の期待に応えるだけのポテンシャルがある製品と期待しています。
大変なプロジェクトだからこそ、やり切った時の達成感は格別です。
開発部 ソフト設計開発課 M 2018年度入社

中途入社後、初めて担当させて頂いたプロジェクトがOPPXでした。
当時はグループ会社との共同開発に向けてNさん中心に仕様のすり合わせを行っている最中でしたが、そんな中でプロジェクトのメンバーに抜擢されソフトウェア開発として取り組むことになりました。
製品仕様の検討・策定・情報共有は苦労しましたが、特に既存機種の仕様理解となぜそうなっているかという背景の理解が大変でした。開発のF課長はじめ皆さんのサポートのおかげでなんとかこなせたことを覚えています。
実装に入ってからは、実装に要した何倍もの時間を検証にかける必要があり、製品開発の大変さを実感する日々を過ごしましたが営業のFさんはじめ製品に期待し活発な意見をくださる営業の皆さんとの交流はとても刺激的で励みになりました。
開発も終盤となると生産に関する業務も発生し、他部署との連携もより必要となりましたが、その分プロジェクトを完遂できたという達成感は他には代えがたいものになりました。
現在は製品の良い評判を定期的に聞くことができ、大変でしたが努力が報われる機会が多いです。